ピンタレストの電子書籍 書評
楽しくピンピンしてるだけでいいの?それでマーケティングに活かされるの?そんな疑問に答える電子書籍「ピンタレスト・マーケティング入門」の書評です。
当ブログで1番記事の多いカテゴリーはピンタレストです。70記事を越えたところです。ピンタレストの1つ目の記事は2012年の2月に書いています。3年以上前になります。
PinterestでPin Itした画像をブログに貼り付けて記事を書いてみる。
3年前の記事なのでブログ貼り付けの方法も変わってます。「Pinterestをブログに貼り付けるウィジェットビルダーが簡単になるよ。」という記事を後に書いています。読み返してみると初期の頃の方が簡単にブログに貼り付けできていたことがわかります。しかもサイズも指定できていたんです。現在はサイズ指定することができなくなっています。
その後、2012年の6月にPinterestビジネス講座が発売され、ピンタレスト関連のセミナーや勉強会を何度か開催させていただきました。
Twitter や Facebook とは少し異なるソーシャルメディアだったのでユーザー理解はゆっくり進むしかなかったわけですが、一部のピナー(ピンタレストユーザー)さんはずーっと使い続けているようです。
ピンタレストはユーザー休眠率(使い始めてみたけど使わなくなった割合)が低いのではないかと感じます。
Facebook で Pinterest研究会 というグループを運営しております。こちらも一気にメンバーが増えるわけではなくゆっくりじっくり増えていき、現在246人にまで増えてきました。
このところピンタレストの話題が少し増えてるので、増加ペースは上がってきてます。佐々木俊尚さんとピンタレストジャパン定国直樹さんの対談記事が現代ビジネスで公開された影響もあるのでしょうか?
- 現代ビジネス 佐々木俊尚「ブレイクスルーな人たち」
- ピンタレストジャパン定国直樹社長に聞く(第1回)
Pinterestはなぜ、炎上もせず、質のいいコミュニティが担保されるのか? - 第2回
SNSではない! みんなが知らないPinterestの本当の楽しみ方 - 第3回
グローバルなサービスを日本に浸透させるためにしたこととは? - 第4回
コミュニティとコンテンツが一致するところにメディアの未来がある
ピンタレストが気になってる人も増えてきてるのではないかと思います。しかし 2012年以降ピンタレストに関する本は出ていませんでした。使い方を調べようにも苦労するわけです。まだまだ新たに本が出版されるほどの勢いはありません。でも電子書籍なら可能です。
紙の本はターゲットを絞り込み過ぎるわけにはいかないけれど、電子本は絞り込むほど良い事もあります。わたしも個人クリエーターさん向けの電子書籍執筆をちまちま始めているところですが、もっと対象を絞り込んじゃってもいいのかもしれないと思ったり思わなかったり。
と思っているところに企業マーケター向けピンタレストの電子書籍が出たようです。
ピンタレストはマーケティングに使えるのか?
著者はソーシャルメディアコンサルタントの福田紗弥佳さん。
【告知!】本を出版しました!★よろしくお願いします★ご購入お待ちしております♪
⇒ピンタレスト・マーケティング入門 http://t.co/hvR9xu5KAf #Pinterest #ピンタレスト pic.twitter.com/jYB5NatNDh
— 福田 紗弥佳@7/6ピンタレスト本出版 (@sayakafk) 2015, 7月 13
趣味が乗馬ということでピンタレストにもお馬さんの写真がたくさん共有(ピン)されています。
「ピンタレストはマーケティングに使えるのか?」という疑問は企業担当者さんなら当然考えてしまうはず。なぜなら好きな写真をピンピン集めていくだけなんですからね。「何してんだろ...」となります。「でも楽しい...」となる。
それでいいんです。それがピンタレストなんですから。
でもマーケティングは?
その疑問に答えてくれるのがピンタレスト・マーケティング入門というわけです。
最後の方には実際にマーケティングで活用している企業さんへのインタビュー記事もあります。とても参考になりますね。
ここが重要!
企業アカウントが自社の画像をピンすると、その画像を気に入ったユーザーが画像を「リピン」によって拡散してくれます。...省略... リピンによってピンタレスト内での画像が拡散されると自社サイトへのリンクが広がっていくということにもなり、サイト流入数をさらに増加させることができます。
ここは企業のピンタレストマーケティング活用で1番重要になるところです。これを理解せずにピンタレストを活かすことはできません。
フォロワー数の多さがピンタレストマーケティングの成功ではありません。自社サイトから共有(ピン)されたビジュアルコンテンツがどれくらい再共有(リピン)されたかが重要な指標になります。
ピンタレストのビジネスアカウントではそれを分析するための Pinterest アナリティクスというサービスが提供されています。
まず、企業サイトを運営しているということが前提になります。そこに訪問者が収集しておきたいと思うようなオリジナルなビジュアルコンテンツがあるということも前提になります。
ビジュアルコンテンツはキレイであることが必須というわけではありません。ピンタレストユーザーは将来的、近未来的に自身のライフスタイルや活動に活かしたいと思う画像をクリッピング(ブックマークのようなこと)するのです。
ライフスタイルや価値観により収集する画像の選択基準が変わります。同じ人間でも時期や時間によって収集する画像の選択基準が変わります。
ライフスタイルや価値観、時期や時間で変わる画像の選択基準を理解してビジュアルコンテンツを創っていくことはピンタレストのマーケティング活用では重要課題になるでしょう。そういった意味ではクオリティの高いビジュアルコンテンツということになりますが、それは、イコール「キレイ」ではありません。
「キレイ」と感じるものは人それぞれ全く異なるわけですしね。
どうすれば理解できるのか?
企業アカウントとはいえ、ピンタレストは自分の「好きなもの」「気に入った画像」を集める場所。宣伝目的でやっていても楽しくないはずです。まずは担当者自身がピンタレストを「楽しむ」ことが最も大切です。
ピンタレスト・マーケティング入門にも書かれていますが、マーケティング担当者がピンタレストを個人として楽しむ。それがとても大切です。
しばらく自分でピンタレストを運営してみて、少し客観的に眺めてみてください。「自分の価値観って1つじゃないんだな」って気付くかもしれません。いくつかの方向性が見えてくるかもしれません。
ちょっと集めてるのを知られたくないと思ったテーマはシークレットボードという非公開のボードに集まっているかもしれません。そういう視点で他のユーザープロフィールに並んだボードを眺めてみるとおもしろい発見に出会うことでしょう。
ピンタレスト、楽しいですよ。
ピンタレスト・マーケティング入門を読んで基本をさらっと理解してみてはいかがでしょうか。
今日も元気に楽しく♪
目次
はじめに
Chapter 1 ピンタレストの基礎知識
1-1 ピンタレストとは何か
1-2 企業がピンタレストを使った方が良い3つの理由
1-3 ピンタレストと他のソーシャルメディアとの違い
1-4 ピンタレストの8つの特徴
1-5 ピンタレストの利用者と現在までの過程
【コラム】 最新のピンタレスト動向Chapter 2 ピンタレストをビジネスで活用する
2-1 リッチピンを作成・利用する
2-2 アナリティクスを確認する
2-3 ピンタレストに合う画像を用意する
2-4 フォロワーを増やす
2-5 企業アカウント運用の工夫Chapter 3 ピンタレストの使い方をマスターする
3-1 世界観をつくる
3-2 アカウントの登録
3-3 ボードの作成方法と作成のポイント
3-4 ピンとリピンで画像を収集・投稿する
3-5 ユーザーとのコミュニケーション
3-6 スマートフォンでの使い方
3-7 その他の機能について
【コラム】 ボード作成のヒントChapter 4 企業のピンタレスト活用事例〈インタビュー〉
4-1 ピンタレスト・ジャパン
4-2 H.I.S.
4-3 ファッションヘッドライン
4-4 iichiおわりに
巻末付録 用語解説とピンタレストの使い方
著者プロフィール
奥付